『イノセンス』押井守監督作品 感想

私たちは何者なのか?どこから生まれてどこへ行くのか?

有機物が組織されてヒトの形となり、そこに自意識(自我)が宿る。自意識はヒトと一部の霊長類が持っている、らしいのだが、それは一体どこからくるのだろう。例えばコンピュータで脳の働きを再現(モデリング)できたとしたら、そこに自意識は生まれるのだろうか。

この作品は、自意識をもってしまったもの(=人間)の寄る辺ない不安を描いたもの、と感じた。最後のシーンでバトーとトグサ、それぞれの腕の中に居るものから存在していく勇気をもらうのかな、と。

そして何が伝えたかったのかというと、私たちは何者なのだろうという問いかけで、それに対して監督は『ヲレは犬がスキー』と…でいいですか?

後は個別の項目別に。

カメラワークが印象的
バトーとトグサが所轄署の階段を登り横へ移動するところなどの場面は、手書きのセル画/背景で実現するのは難しい。実写のような臨場感。
原作でのセリフが端々に
先回りして思い出したりして、ちょっとどうかな、と思うヒトもいるかも。
ティルトローター機で潜入?
あまり潜入という感じではなかった。わざとだろうか。
説明的なセリフ
隠したかったこと、が原作同様言葉での説明になっている。表現の難しいところでしょうが、ソコは何とかして欲しかった。
鳥CG*1
専任のスタッフがいるんですか…
画面全体がノイズっぽい場面が
演出ともあまり関係ないような場面だった(と思う)ので、なんでかな、と。

で、私は十分に楽しめました。というか、お金を支払い時間をかけて見た価値はあると思いました。

*1:エンドロールより。